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「帰ってきたアメリカ」は本物か
―― クレディビリティを粉砕した政治分裂

レイチェル・マイリック   デューク大学研究助教授(政治学)

America Is Back—but for How Long? Political Polarization and the End of U.S. Credibility

Rachel Myrick デューク大学研究助教授(政治学)。専門は国内政治と国際関係。

2021年7月号掲載論文

「本当にアメリカは帰ってきたのか」。トランプだけではない。同盟国はアメリカの国内政治、特に今後の外交政策に大きな不確実性をもたらしかねない党派対立を気にしている。これまでは、外交が政治的二極化の余波にさらされることは多くなかったが、もはやそうではなくなっている。議会での政治対立ゆえに条約の批准が期待できないため、米大統領は議会の承認を必要としない行政協定の締結を多用している。だがこのやり方は、次の政権に合意を簡単に覆されるリスクとコストを伴う。国内の政治的二極化が続き、ワシントンが複雑な交渉に見切りをつけ、新政権が誕生するたびに既存のコミットメントが放棄されるようなら、「敵にとっては侮れない大国、友人にとっては信頼できる同盟相手としてのワシントンの評判」は深刻な危機にさらされることになる。

  • 切り崩されたアメリカへの信頼
  • 民主主義の優位を損なう党派対立
  • 団結の終わり
  • 党派対立と対外関係

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